ナレ |
「2005年9月17日 某時刻
幕張メッセ 特別法廷」
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ざわざわ・・・
ナレ |
「ざわめく法廷内に、
カンッ!裁判官の木槌を鳴らす音が響く。」
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サイバンカン |
「・・・・それでは、とりあえず開廷します。」 |
ナルホド |
「弁護側、ジュンビ完了しています。」 |
ミツルギ |
「検察側・・・・もとより。」 |
ナレ |
「慣れ親しんだ法廷、いつもの顔ぶれ。
そんな中・・・・驚いた様子で裁判官が話し出す。」
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サイバンカン |
「今日は、いつもとちがう熱気を感じますな。」 |
マヨイ |
「なんか、”見られてるッ!”みたいな感じがするよ。」 |
ナレ |
「それもその筈。この法廷は、いつもと違い
それぞれがフルボイスで喋るという、いわば特別法廷なのである。
それだけに、外野からの視線も熱い!・・・・
本来は、掛け声以外”ポポポ”という電子音で会話をしている・・・・。」
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ミツルギ |
「大観衆を前にモウシワケないが、事件自体は大したコトはない。
・・・・被害者のイトノコギリ刑事を。」 |
イトノコ |
「”大したコトない”とはなんスか!
自分の・・・・自分のヒルのお楽しみが、盗まれちまったッス!
ステーキ弁当との、ジューシィなヒトトキを・・・・
そこの女の子にッ!」 |
マヨイ |
「あ、あたしですか?」 |
ナレ |
「いつの間にか証言台に立ち、声を張り上げる糸鋸刑事。
酷く興奮しているようだ・・・・
発言は続く。」
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イトノコ |
「・・・・自分は見たッス!
刑事課から逃げていった、あの後姿・・・・たしかに、アンタッス!」 |
ナルホド |
「また疑われてるみたいだね。マヨイちゃん。」 |
マヨイ |
「うううう・・・・ちょっと行ってくるよ。」 |
ナレ |
「参ったなという表情の真宵・・・
身に覚えの無い罪を着せられ、潔白を晴らすべく証言台に立つ。
・・・・証言開始」
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マヨイ |
「事件の起こったのは、9月15日のおヒル、でしたよね。
そのころなら、法廷の休憩室で《逆転裁判》やってましたよ。
休憩室には御剣検事もいて
ものほしそうな目で、見てたっけ。
うらやましかったんでしょうね。あたしの《逆転裁判》。」 |
ミツルギ |
「異義あり!
何を言う!わ、私は、その・・・・
《逆転裁判》ぐらい、たしなみとしてちゃんともっているッ!」 |
サイバンカン |
「まあまあ、御剣検事。それより、どうなのですかな?
被告人の証言が事実ならば、あなたじしんが”目撃者”ですが・・・・」 |
ミツルギ |
「たしかに・・・・私は休憩室でこの少女の姿を見た。・・・・しかし。
残念ながら・・・・この証人のコトバは、信用できないッ!」 |
マヨイ |
「え・・・・・・」 |
ミツルギ |
「あのとき、キミが手にしていたのは《逆転裁判》ではなかった!」 |
サイバンカン |
「ど、どういうコトですかな?」 |
ミツルギ |
「私は常に、シリポケットに《逆転裁判》を持ち歩いている。
しかし!彼女が持っていたのは、明らかにコレではなかった!」 |
ナレ |
「勢いよく、どこからか愛用のゲームボーイアドバンスSP
(ピンク色)を取り出し突きつける御剣!」
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ナルホド |
「異義あり!
御剣検事、きみが持っているのは、ゲームボーイアドバンスSPだよ。」 |
ミツルギ |
「それがなんだと言うのだ。」 |
ナルホド |
「まだ、わからないのかい?・・・・真宵ちゃんが遊んでいたのは、
コイツだったのです!」 |
ナレ |
「今度は成歩堂が、御剣の出したものと”類似はしているが
全く別物”の携帯ゲーム機を付き付ける!」
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ミツルギ |
「な・・・・なんだそれは!
私のマシンよりも、ひとまわり大きいようだが・・・・」 |
ナルホド |
「《NINTENDO DS》だよ。
シリーズ最新作《蘇る逆転》が発売されたばかりのね!」 |
ミツルギ |
「なにィィッ!」
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ざわざわ・・・・
ナレ |
「ざわめき出す法廷内・・・・傍聴席のどこからか
(カッコ悪ぅい・・・・あの検事さん)
(今どき、NINTENDO DSも知らないなんて・・・・)
・・・・ 等の声が聞こえてくる」
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ナルホド |
「言いにくいけど・・・・かなり好感度下がったぞ、今ので。」←ポポポ |
マヨイ |
「そもそも、ピンクのアドバンスもどうかと思うな。言いにくいけど。」←ポポポ |
ナレ |
「どさくさに紛れ、いつもの電子音で会話をし出す成歩堂と真宵。」
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ミツルギ |
「言いにくいトコロだけ”ポポポ”ですますなッ!」 |
ナレ |
「カンッ!裁判官が木槌を鳴らす。」
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サイバンカン |
「・・・・どうやら、いきなりアリバイ成立のようですね。」 |
ミツルギ |
「異義あり!
だ・・・・だいたい、その、コレはなぜ、画面が2つもあるのだッ!
どういう意味があると言うのかッ!」 |
マヨイ |
「なんか、論点がズレてきましたね。」 |
ナルホド |
「2つの画面・・・・その意味はいずれ明らかになるさ。」 |
ミツルギ |
「しかも!コレは、ビミョーに大きいッ!
私はいつも、シリポケットに入れて持ち歩くことにしているのだが・・・・
これでは、シリポケットに入らないではないかッ!」 |
ナレ |
「事件本来の話とは外れて、熱くなる御剣。負けじと声を上げる成歩堂。」
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ナルホド |
「異義あり!
ここに、ゲームボーイアドバンスの取扱説明書があります。
16ページ・・・・ハッキリ書いてあります。
『ズボンのポケットに入れないで下さい』」 |
ミツルギ |
「なにッ・・・・!」 |
ナルホド |
「・・・・つまり、御剣検事!
シリポケットに入れている時点で、きみの取り扱いは違法だッ!」 |
ミツルギ |
「なんだとぉぉぉッ!シリポケットが違法・・・・
それでは・・・・この大きさは、問題にならないということかッ!」 |
サイバンカン |
「御剣検事、シリポケットはやめたほうがいいでしょう。」 |
マヨイ |
「あたしも、どうかと思いますよ。シリポケットは。」 |
ミツルギ |
「異義あり!
と・・・・とにかく。残念ながら、キミのアリバイは成立しない!」 |
マヨイ |
「え・・・・・・」 |
ミツルギ |
「たしかに私は、休憩室でキミを見た。しかし・・・・
モンダイは、いったいそれが”いつ”だったのか?」 |
ナルホド |
「ど・・・・どういうことだ?」 |
ミツルギ |
「あの裁判は、9月14日と15日の2日間にわたって、行われた。
私が彼女を目撃したのが、事件のあった15日だとは断言できない!
つまり。アリバイはまだ、成立しないのだよ。」 |
ナルホド |
「異義あり!
ここに、《蘇る逆転》の発売告知があります。
このゲームの発売日は・・・・9月15日!」 |
ミツルギ |
「な、なんだと!」 |
ナルホド |
「きみが彼女を見たのは、15日しかあり得ないのさ!」 |
ミツルギ |
「ぐ・・・・なぜだッ!いつものキサマならば・・・・
つきつける前に 法廷記録を開いて、モタモタしていたハズ・・・・」 |
ナルホド |
「今回から、証拠品をリストで見られるようになったんだよ。
これからはもう、モタモタなんかするもんかッ!」 |
ミツルギ |
「むぐぐぐぅぅっ!」 |
ナレ |
「やられたという表情の御剣。裁判官がカンッ!と木槌を一突きする。」
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サイバンカン |
「この2画面には、そんな深い意味があったのですね。」 |
ミツルギ |
「異義あり!
ザンネンだが・・・・。もうひとつ、キミは見落としをしている!」 |
ナレ |
「諦めの付かない御剣が、またも声を上げる!」
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ナルホド |
「なんだと・・・・!」 |
ミツルギ |
「真宵クンが遊んでいたゲームが《逆転裁判》とはかぎらない」 |
サイバンカン |
「ど、どういうことですかッ!」 |
ミツルギ |
「思い出したのだよ・・・・あの日。
なんと彼女は自分の声で『異義あり』と言っていたのだ。」 |
ナルホド |
「自分の声で・・・・?」 |
ミツルギ |
「つねづね、妙な子だとは思っていたが・・・・
これは、他のゲームを《逆転裁判》に見せかける、偽装行為だッ!」 |
間 |
ナレ |
「御剣の言葉に法廷内が沈黙してしまう・・・・」 |
間 |
ミツルギ |
「な、なんだ、このイタイほどの静けさは・・・・」 |
ナルホド |
「・・・・御剣検事。NINTENDO DSには・・・・
マイク機能がついてるんだよ。」 |
ミツルギ |
「マイク・・・・だと?」 |
ナルホド |
「自分の声で《異義あり》と叫んでゲームを進めることができる・・・・
つまり!真宵ちゃんが遊んでいたのは《逆転裁判》だったのです!」 |
ミツルギ |
「そんなバカな・・・ッ!
・・・・い、異義ありッ!」 |
ナレ |
「異義を唱えた筈だったが・・・
御剣の声に反応し、DSの成歩堂が叫ぶ!!!」
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ナルホド |
「異義あり!」←DSの声 |
ミツルギ |
「ヒトの声で遊ぶなッ!」 |
ナレ |
「やられた表情の御剣・・・・
カンッ!木槌が鳴り響く。」
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サイバンカン |
「どうやら決着がついたようです。この少女は、ムジツですね・・・・」 |
イトノコ |
「待った!
し、しかし!自分の弁当は!あのジューシィなヒトトキはッ!」 |
ナルホド |
「イトノコ刑事、たしか、あなたが見た”犯人”は・・・・
真宵ちゃんに似ていたそうですね。」 |
イトノコ |
「まちがいないッス!後ろ姿しか見てないッスが。」 |
ナルホド |
「真宵ちゃんに似た、”その子”もしかして・・・・」 |
ナレ |
「成歩堂の脳裏にとある人物の姿が浮かび上がる・・・・」
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イトノコ |
「あっ!そッス!あの子にマチガイないッス!」 |
マヨイ |
「ははあ。なるほどねー。たしかに!」 |
サイバンカン |
「ジツはそう思ってましたぞ。この私も。」 |
ナレ |
「次々に謎が解けたような一同。
どうやらそこには共通の人物が見えているらしい。
・・・・御剣を除いては。
不服そうな御剣。」
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ミツルギ |
「な、なんだッ!犯人の心当たりがあるとでも・・・・?」 |
ナルホド |
「・・・・御剣。おまえも、コイツを買えばわかるよ。」 |
ナレ |
「得意げな成歩堂に続き、糸鋸も得意げな笑顔で一言、」
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イトノコ |
「自分、ウッカリしてたッス。」 |
ナレ |
「酷くショックを受けたような御剣・・・・」
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ミツルギ |
「ぬぬぅ・・・・安月給のキサマまで。」 |
マヨイ |
「あたしもホラ 買っちゃいました。」 |
サイバンカン |
「私も今、遊んでおりますぞ。」 |
ナレ |
「皆それぞれに、自分のDSを取り出しアピールする。
法廷内がDSで溢れ返り、独り取り残される御剣・・・
かなりのダメージを受けながら喋りだす」
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ミツルギ |
「なんなのだ・・・・この大人気っぷりはァァァァァッ!」 |
ナレ |
「叫び声をかき消すかのように、1打ち木槌を鳴らす裁判官。」
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サイバンカン |
「それでは・・・・ミツルギ検事。あなたに判決を言いわたします。」 |
ナレ |
「ちょっ!おま!wwと、突っ込みを入れたくなるのは、私だけでしょうか;
・・・・裁判官が神妙な面持ちで判決を言い渡す。」
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サイバンカン |
「有罪
・・・・御剣検事。法廷後、ただちに本体ごと買いに走るように。」 |
ミツルギ |
「・・・・いたしかたあるまい。」 |
ナレ |
「裁判官のイキナリな判決を冷静に受け止める御剣・・・
心なしか悔しそうでもある。
・・・・静けさを取り戻す法廷。」
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サイバンカン |
「それでは、本日の法廷は、これにて閉廷します!」 |
マヨイ |
「みなさんも、《蘇る逆転》をどうぞよろしくね!」 |
ナレ |
「何か考え込む成歩道・・・・どこからともなく現れた人物が
証言台より、話しかける。
あれ、この人誰かに似て・・・・」
|
アカネ |
「これからは、カガク的に異義アリ!・・・・ですよ!」 |
イトノコ |
「あ、アンタッ!自分のステーキ弁当を」 |
ナレ |
「カンッ!木槌が糸鋸刑事の声をかき消し・・・・法廷が閉められる。
最後の女性は・・・・?ステーキ弁当の判決はどうなるのであろうか・・・・?
皆、忘れてませんか???(汗」 |
ナレ |
「脚本・演出 巧 舟(たくみしゅう)
CAPCOM
逆転裁判蘇る逆転、好評発売中! DSで本編もお楽しみ下さいね☆」
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fin.
な、、、長かった・・・(|||_ _)ノ‖ハア・・・・
《逆転裁判》蘇る逆転 特別法廷 |